|
日々の日記也。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 通勤ラッシュ、戦後の就職活動を皮切りに中心都市ではまさに人口爆発を迎えた。就職している人間は、否が応でも毎朝、毎夕の通勤通学に苦しむものだった。 ドーナツ化現象が目に見えるようになってからは対岸の駅ホームで車両を待つ人間の対比がなんとも不自然である事この上ないだろう。 今日も多くの人間が巨大ロータリーである駅舎を縦横無尽に蠢いている。自分たちが自分たちのために動いている、朝の貴重な時間を無駄にしないための不干渉になる時間。 そんな苦痛の通勤ラッシュを逆に喜ぶ人間もいる。もちろんそれは極少数になるし、リスクも多い。そう、よくも悪くも駅で見かける光景に定着している犯罪である。 カツアゲ、痴漢、盗撮、万引き、キセル、突き落とし―――――駅と言う環境だけでこれだけの犯罪がひしめいている。年の中核を担う巨大ロータリーでは、そんな出来事も一日の中で沢山見かけることだろう。 そんな喜怒哀楽を見守るのが駅で働き続けている駅員の方々である。今日も、駅を利用するお客様達を見守りながら犯罪の発見に勤めていた。 そんな駅員たちが休める憩いの場所、駅務室。某年某月某日朝9時ジャスト。駅員に連れられて一人の青年が憩いの場、駅務室に入ってきた。 「さあ、座りなさい」 見た目に50代くらいだろうか。年配の駅員が青年を椅子に座らせた。良く見れば、そんな青年のあとに続いて女性の姿があった。奇抜な、化粧で着飾ったギャルとも言える若い女性。肌の露出も多く、見にスカートをはいて挑発的である。 青年―――――とは言うが、よくよく見れば彼は見た目まだ十代、高校生のそれだった。通学用の鞄を持ち学生服を身に纏っている。顔立ちは崩れてもおらず美形でもない。中性的な女性とも男性とも取れそうな、勘違いされそうな顔立ちだった。だが、その体つきはやはり男性だった。 「鞄の中を見せなさい」 駅員の言葉に高校生の彼は素直に鞄を開く、乱暴に駅員はそれを引ったくり中を漁る。そうしてしてやったりと言う顔で、駅員は鞄からある物を取り出した。―――――デジタルビデオカメラ。 手のひらサイズの、最近出回った最新のものだろうか。 「どういうことかね。これは」 「サイアクー、まじしねー」 女性は見た目もそうなら口調も軽く、彼を非難した。そう、彼にかけられた容疑は『盗撮』だった。切欠は通勤ラッシュによくある車内でのすし詰め状態でのこと、女性の後ろに彼がおり、すし詰めの割には妙に鞄が足の間に入ってくるという感覚を感じ、彼が降りたところで件の女性が駅員に通報したのだった。 そうして出てきたのはデジタルビデオカメラ、駅員の中ではほぼ容疑は確定だと思われたことだろう。だが彼は微塵も表情を崩さない。むしろ爬虫類のような雰囲気をかもし出し、無表情の中で『それを再生しないほうが良いと』目で訴えていた。 「ふん」 そんな彼の無言の訴えに駅員は鼻であしらいビデオを再生する。瞬間――――― 「ぎゃあああああああああああああああああああああああ!」 「きゃあああああああああああああああああああああああ!」 某警察署、取調室。 「で、駅員と女の容態は?」 「は、駅員は放心状態、女性のほうは現在病院で精神科医に治療を受けています」 「だろうなぁ。まあ、あんなものを見せられたら、慣れてない人間はトラウマになるわ。股座の布っきれが映っていた方がよっぽど良かったろうよ―――――なあ、ボウヤ」 年配の駅員に代わって、今彼の目前にいるのは更に駅員より年が上に見える刑事だった。あのあと恐怖を必至に抑えて駅員は警察へ連絡、彼は駅務室から取調室に場所を変えられていた。 「で、これはどういうことなのかな、ボウヤ」 コトン、と刑事は机の上に例のカメラを置いた。そうしておもむろに中に記録されている映像を再生する。 とたんに流れてきたのは、耳に苦しい音楽だった。 ザシュ、ゴシュ、ゴリュ、グシュ、ブシュ、ぎりぎりぎりぎりぃぃぃぃぃぃ・・・・・ 音は鮮明だった。しかし、映像は若干醜かった。しかし、目を凝らしてみれば、そこに写された映像が同じ世の中で起きた出来事とは思えないことだっただろう。 画面の中では、見知らぬ女性が見知らぬ男性にマウントポジションを取られ、その相貌を、頭蓋を、腹部を鈍器や刃物や荒縄で、砕かれ、裂かれ、しめ切り落とされている映像だった。体のラインがなければ、殺されたほうが女性とは解らなかっただろう。 そう、殺人の瞬間がそこには写されていた。特殊メイクもCGもない、リアルに、人が人を殺す映像だった。 「こんなもの、毎日のように仏さんを見ている俺たちでも目を逸らしたくなるよ。で、この映っている男と女は誰なんだ?」 「知らない」 「ふざけるな!」 年配の刑事が喋る前、少し若い男の刑事が怒鳴りだす。 「これは殺人をしている映像だ。そしてそれがカメラで撮られている、そのカメラを持っているのはお前なんだよ!つまり、お前はこの瞬間ここにいたんだ!どういうことだ!」 若い刑事は追及するように怒鳴り散らす。あたりまだった、これは事件だ、殺人が行われた映像を撮影している。その容疑者がここにいる。黙秘する必要性を感じさせないくらい、これは明白な事件だった。 しかし、そんな空気を破るノックが響いた。見知らぬもう一人の刑事が入室し、年配の刑事になにやら耳打ちをする。そうしてため息を一つ。 「おい、そいつは釈放だ。無罪放免」 「な、なんで―――――」 「その男、『特徒』だ」 それを聴いた瞬間、刑事たちは彼から興味の視線をはずした。一体、どういう理由で彼は解放されたのだろうか。 特徒―――――特別犯罪監視生徒。それはこの世で起こっている犯罪の瞬間を記録し情報収集する人間の俗称である。生徒とあるが、確かに彼はある高等学校の生徒である。しかし、生徒と言うのはこの場合、役の名称であり学生である必要はない。今期の代、高校生である彼が選ばれた。ただそれだけだった。 国会図書館は、日本で印刷された商業の本を全て回収し保存する義務があるように、国のある機関―――――犯罪情報解析研究所―――――では多重化、複雑化、デジタル化する犯罪を研究し解析し対抗策を作り出すために国が生み出した最悪の役所だった。 そこで働く人間は二人、室長と特徒の二人。 室長―――――本名不明の二十代男性。コードネームを『藤原聞語(フジワラノケンゴ)』という。 特徒―――――本名不明の十代男性。コードネームを『藤原語部(フジワラノショウゴ)』という。 特徒である二人は国に保障されている。如何なる犯罪に直面してもそれを通報する必要性はなく、またその犯罪を記録するために犯す別なる犯罪殺人を除く全ての行為を免罪とする。変わりに、特徒となる物は国民としての権利を剥奪される。家族を捨て、友を捨て、恋人を捨て、人生を捨て、個人を捨てる。 国が全てを保障する代わりに個人を捨てることが、特徒である者の最低限の条件である。 これは強制ではない、条件を掲示後、自己の判断において印を押したものが特徒として認められる。 それは、人間が人間である事をやめ、ただ毎日を犯罪の記録のために生きる者だった。人として当然のように謳歌する全てを捨てる代わりに殺人以外の犯罪を全て免除され、生活を保障される。生活環境から給金、ありとあらゆる支出を国が保障する。 だが引き換えになくしたものは大きい。 はたしてどうして彼は、彼らは、人生を捨ててまで、その最悪のみとを選んだのか。あってはならない普通の生活の裏で活動する特徒たちの物語、果たして、その意味とは――――― PR
昨日は取り乱した・・・・・ だって、だってねぇ、あんな情報見せ付けられてファンとして落ち着いていられるかって言われたら――――― 取り乱しますよ。ええ。 とりあえず落ち着きを取り戻したので改めて。 TYPE-MOONの勢い、楽しみです。
『我は剣王』―――――面白いじゃないか。 |
カレンダー
カテゴリー
最新トラックバック
プロフィール
HN:
光夜
年齢:
39
性別:
男性
誕生日:
1986/05/12
趣味:
読書、音を聞く、散歩
自己紹介:
中学校の頃、読書をするに飽きたので小説を書き始める。高校に入って、親友であり、絵師の『ニーロ』と出会い新たな小説『奇妙戦歴シリーズ』を書き始め、高校卒業とともに完結。
現在は、個人小説『探求同盟シリーズ』を書くとともに、ニーロとの合同作品『Ageless』を模索中。 冬には同人誌を出す予定。 大好きな小説は『空の境界』など沢山。 補足:平成21年現在22歳。
ブログ内検索
追加される決まりごと共
コメントのしかた。
基本的に何でも書いていいが、コチラが不適切と判断した場合、予告無しに『非公開』にします。
|